知ると日本茶が10倍楽しめる!専門店でよく聞かれる「日本茶についての7つの疑問」に答えてもらいました!(中編)
知れば知るほど奥が深い日本茶の世界。
深まる疑問を解消するべくTeapot Mag.ライター陣で、日本茶の専門店「一保堂茶舗」の広報・川越順子さんに話を聞きに行く今回の企画。
前編では、以下2つの疑問について、お答えいただきました。
・お茶の保存方法は?
・抹茶は自分でも(茶道をしていなくても)点てられるの?
今回も引き続き、みっちりと疑問に答えてもらっています〜!
3つめとなるのは、わたくし江角もす〜ごく気になっていた疑問。いざ中編スタート!
(3)水出し茶はどれ?
川越:一保堂茶舗の茶葉は、どの茶葉が水出し専用ということはなく、基本、全部水出し可能です。
水出しの場合は、お茶の味がしっかり抽出できるまでに、多少時間がかかります。乾物を戻すときと同じで、水出しの場合、お湯で淹れるときよりも時間がかかると思っておくといいのかもしれません。そうしたことからも、「水出し」用のお茶として市販されているものは、水でも早く抽出できるように作られているのではないかと思います。
冷たいお茶の淹れ方として「水出し」はよく知られるようになりました。加えて一保堂茶舗からオススメしたいのが、「急冷」という淹れ方。熱湯で淹れたお茶を、氷で一気に冷やすという方法です。
お茶は、淹れた瞬間から時間が経つほどに、味や香りが変化していきます。ぎゅっと急速に冷やすと、淹れたての味と香りが楽しめるんです。水出しよりも短い時間で簡単に冷たいお茶が作れます。ぜひこの「急冷」も試していただきたいですね!
(公式サイトでは、冷たいお茶の淹れ方が、動画で紹介してありました!)
さきほど、一保堂茶舗の茶葉は基本、全部水出し可能と言いましたが、ほうじ茶の場合は「香りが命」。水出しをすると、せっかくの香りが弱くなってしまうので、冷たいほうじ茶が飲みたい場合は、熱湯で淹れて氷で冷やす「急冷」で淹れることをオススメします。
日本茶は、淹れるお湯の温度で味が変わる
日本茶は温度が高いお湯で入れるほど、香りや渋味が出やすく、飲み口はさっぱりした印象になります。お湯の温度が低いと、うま味や甘味が感じられるようになります。特に、水出し茶の場合はお出汁のような、まったりした印象になります。
高温で淹れる→香りや渋味が出やすく、飲み口はさっぱり
低温で淹れる→うま味や甘味がしっかり
同じ茶葉でも好みとその時の気分で、お湯の温度を変えて淹れわけるという楽しみ方ができるのが、茶葉の魅力です。
─ なるほど。そこまでできたら、上級者ですね!
水出しのお茶として販売されてない商品は、水出しできないのかなぁと思っていたので、今日お話を伺って目からウロコが落ちるよう。茶葉と乾物のたとえが分かりやすくて、一気に謎が解けました!
(3)水出しのお茶はどれ? 答え
お湯でも水出しでも、どちらで飲んでも問題ない。抽出の時間、淹れるお湯の温度に違いによって、お茶の味が変わるということに留意して。
─ 続いても、店頭でよく聞かれる質問だそう。
(4)新茶っていつ飲んだらいいの?(お茶の鮮度はいつまで?)
川越:5月頃から並び始める新茶は、とにかくもう、なるべく早く飲んでください!とお伝えしています(笑)
新茶の味わいについては、味や風味、香りなど、お店ごとに大切にしているものがあると思います。そのため、購入していただいたお店で確認してもらうのが一番です。
一保堂茶舗では特に「新茶の青々しい香り」を第一に楽しんでもらいたいと考えているため、新茶は遅くとも梅雨が明ける(〜7月中旬)くらいで飲みきっていただけるようお伝えしています。新茶特有の青々しい香りは未開封でも、だんだんと弱くなってしまうんです。せっかくの青々しさを思う存分に堪能していただきたいので、お店ではそんな風にお答えしています。
また新茶の茶葉は、普通の茶葉よりも柔らかくて、お湯を注ぐとすぐに開きます。そのため、通常の煎茶を入れるときより少し時間を短めにするくらいでちょうどいいんです。お湯も、80〜85℃くらいと少し高めにして、抽出時間も短く。これが、より香りを楽しんでいただける淹れ方です。
そして、ぜひ3煎くらいまでは飲んでいただきたいですね。
ただ、「3煎淹れていないから」と茶葉(茶殻)のまま置いておくことはオススメしません。茶殻のまま置いておくと変質しやすいので、3煎分、お茶として出してしまってから、お茶を保存しておくようにしてください。
茶葉は、袋を開封した瞬間から、どんどん酸化していってしまいます。前編でも触れたように、一保堂茶舗では、袋を開けたら常温で保存し、3週間ほどで飲みきっていただくことをオススメしています。
味わいとともに、お茶の香り、風味も新鮮なうちに楽しんでもらえるとうれしいですね。
(4)新茶っていつ飲んだらいいの? (お茶の鮮度っていつまで?)答え
新茶特有の青々しさを味わうなら、とにかくもう、なるべく早く飲んでほしい!(遅くとも梅雨が明ける、〜7月中旬くらい)。通常の日本茶も、3週間ほどを目安に飲みきるとおいしい!
というわけで、残る疑問は以下の3つ。後編へと続きます!
(5)おいしく淹れられる急須ってどんな急須?
(6)湯飲みによって、お茶の味は変わる?
(7)結局、何を飲んだらいいの?
いよいよラスト! 後編の更新予定日は、8/17(金)です。どうぞ、お楽しみに!
店舗情報
住所:〒604-0915 京都市中京区寺町通二条上ル
電話:075-211-3421
営業時間:午前9時から午後6時
定休日:休まず営業(正月を除く)
アクセス:京都市営地下鉄東西線「京都市役所前」駅より 徒歩約5分
H.P:http://www.ippodo-tea.co.jp/
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