知ると日本茶が10倍楽しめる!専門店でよく聞かれる「日本茶についての7つの疑問」に答えてもらいました!(前編)
八十八夜である5月2日に始まったWEBマガジン「Teapot Mag.」ですが、日本茶をテーマに記事を書けば書くほど、ライター陣は「書いても書いても知らないことが盛りだくさん。日本茶、奥が深い…!」となっており、次々と疑問が浮かんできます。
よーし、こうなったら、日本茶に詳しい人に根掘り葉掘り聞いて、分からないことをぜーんぶ教えてもらおう!
ということで、わたくし編集長である江角を筆頭にTPMライターメンバーで、寺町通二条上ったところに本店を構える、日本茶の専門店「一保堂茶舗」へ取材に行ってきました!
お話を伺ったのは、広報部の川越順子さん。広報として働くまでには、丸の内店のスタート時から喫茶でお客様に接すること数年、本店でも販売員を勤めるなど、さまざまなお客様と接し、日本茶を提案してきたプロフェッショナル!
今回は、専門店でよく聞かれる「日本茶についての7つの疑問」に、がっつり答えてもらいました。
記事は前編、中編、後編の3回に分けてお届けします!
─さっそくですが、お客様からよく聞かれる質問というのはあるのでしょうか?
川越:そうですね、お茶初心者の方からよく聞かれるのは、
・お茶の保存方法は?
・抹茶は自分でも(茶道をしていなくても)点てられるの?
といった質問でしょうか。
─ なるほど。確かにどちらも気になる質問です! 一つずつお願いします。
(1) お茶の保存方法
川越順子さん(以下、敬称略):お茶の保存方法としては、開封したら常温で保存し、3週間ほどで飲みきっていただくよう一保堂茶舗では提案しています。茶葉は空気に触れることで徐々に酸化し、味も落ちていってしまうので、「なるべく空気に触れさせず、早く飲みきる」ことが一番です。
私も一保堂茶舗に入社する前によくやっていたのが、開封後は冷蔵庫で茶葉を保存するというもの。ですが、その方法ですと、冷蔵庫から出し入れする際に、その温度差から茶葉が結露してしまうこともあります。茶葉にとって、そうした湿気は大敵。急激な温度変化もダメージにつながってしまうため、冷蔵庫ではなく常温で保存することをオススメします。
未開封の場合は冷凍庫で保存するというのもいいと思います。ただ、これも茶葉の賞味期限がのびるということはなく、日が経つほどに味が落ちていくことは止められないのですが、その落ちていくスピードをゆるやかにすることはできると思っています。
また、茶葉を茶筒に入れて保存している方もいらっしゃると思います。お茶を淹れるときは、袋から出すより、茶筒の方が使い勝手はいいですよね。ただ、空気に触れる面積はやはり袋よりは増えるので、早めに使い切ってください。
茶葉を購入される場合は、ご自身の飲むペースを把握して、飲みきれるサイズ、たとえば毎日は飲まないという方なら、小袋などで購入して、飲みきったら、また買うという感じで楽しんでいただくというのが、いいのではないでしょうか。
─ 飲みきれる量の茶葉を購入して、常温保存。そして、おいしいうちに使い切ってしまうのがよさそうですね!ついつい量が多い方がお得なような気がして、飲みきれない量の茶葉を買っているような気がします。
川越:確かにそんな風に、グラム数が多くなるほど、お買い得になるイメージもありますよね。一保堂茶舗では、少量からでもお茶を楽しんでいただけるように、少量で買っても、多めに買っても基本の価格は同じ。量が多くなるほど、お得になるというような価格設定はしていないんですよ。100グラム1,000円なら、200グラムは2,000円といったような設定にしています。
─ そうなんですね〜!それなら気兼ねなく、少量から購入できそうです。
お茶の保存方法 <答え>
なるべく空気に触れさせない状態で、常温保存。飲みきれる量の茶葉を購入して、開封後は早く飲みきる!
続いては、
(2)抹茶は自分でも(茶道をしていなくても)点てられるの?
川越:はい、もちろん点てられます!よく「道具が揃っていないからダメなんでしょうか」とか「茶道をやっていないから、分からないんです」と言われる方もいらっしゃるのですが、抹茶用のお茶碗がなくても、お作法を知らなくて、抹茶を点てることはできます〜!!
必要なのは、この3点だけ。
・抹茶
・茶筌(ちゃせん)
・茶こし
抹茶を点てる際、抹茶碗がなくても、代わりにカフェオレボウルやスープカップなどを使っていただいても構いません。もし日本酒を入れる片口の器があれば、それで抹茶を点てて、全員に分け入れてもいいと思います。
抹茶はダマになりやすいので、抹茶を点てる直前に茶こしでこすと、ダマにならず、おいしく点てることができます。
裏千家や表千家といった「茶道」は、抹茶の楽しみ方の一つですが、自分一人で飲む分には、お作法は気にせず、「飲み物・嗜好品として楽しんでみる」といったように、意識を切り替えてみてはいかがでしょうか。
純粋に飲んで味わうというのなら、ボトルに水と氷、抹茶を入れて、シャカシャカ振って混ぜるという方法でも楽しめます。飲むだけではなく、アイスクリームにかけたり、ヨーグルトに混ぜたりして、素材として楽しんでも。日本茶の中で、抹茶が一番楽しみ方の幅があるのではないかと思っています。
─ ボトルに直接入れて振る…。斬新ですね。っていうか、何でも良いんですね。今まで勝手にハードルをあげていましたが、お話を聞いていたらもっと自由に抹茶が楽しめそうな気がしてきました。川越さんは普段から抹茶を飲んだりされるのでしょうか?
川越:はい、常備してあるので、飲む機会は多いかもしれません。抹茶は気分をリフレッシュさせてくれるので、ランチ後、コーヒー代わりに飲むスタッフもけっこういるんですよ。
─ 食後に抹茶…!なんか、いいですね(笑)カフェオレの代わりに、抹茶ミルクとかよさそうです。
川越:抹茶は粉状で、いわばインスタント。急な来客があったときなど、急須すら使わず、すぐに点てられてお待たせしないので、抹茶をお出しすることもあります。
─ え〜!! お抹茶を出されたら、すごくもてなされている気分になります! まさか、急須も使わず淹れられるからって、そんな理由(笑)
川越:そうなんです、実は簡単にお出しできるんですが、お客様にはすごく喜んでいただけるので、オススメですよ。
─ 本当ですね〜。まずは茶筌、買います…!(笑)
抹茶は自分でも(茶道をしていなくても)点てられるの? 答え
点てられます!
点てて飲むなら最低限必要な道具は、以下の3つだけ。
・抹茶
・茶筌
・茶こし
お作法は気にせず、飲み物として楽しんでみて!
以上、前編では2つの疑問に答えてもらいました。
さて、気になる残りの疑問はこんな!
(3)水出しのお茶はどれ?
(4)お茶の鮮度はいつまで?(新茶っていつ飲んだらいいの?)
(5)おいしく淹れられる急須ってどんな急須?
(6)湯飲みによって、お茶の味は変わる?
(7)結局、何を飲んだらいいのか分からない
記事は中編、後編へと続きます!
記事の更新予定日は以下です。どうぞ、お楽しみに!
・中編 8/10(金)
・後編 8/17(金)
店舗情報
住所:〒604-0915 京都市中京区寺町通二条上ル
電話:075-211-3421
営業時間:午前9時から午後6時
定休日:休まず営業(正月を除く)
アクセス:京都市営地下鉄東西線「京都市役所前」駅より 徒歩約5分
H.P:http://www.ippodo-tea.co.jp/
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