茶碗に注ぐお茶の適量をご存知ですか!?

ひとにもてなすお茶

お客さまにお茶をお出しする際、その量について、考えたことがありますか?

まだまだお茶に詳しくない私は、先日
「え!? お客さまにお出しするお茶って、こんな量なの!?」
と衝撃を受けた出来事がありました。

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溶けそうなほど暑いある日、仕事で公的機関へ訪問した際の話。
こちら側の人間は3名、あちら側の人間も3名。
応接室に招かれひと通り挨拶が終わり、着座した私たち全員にお茶が出された。

お茶が出されるさなかも会話が進む。
私はお相手の話のおもしろさ、楽しさに浸っていた。
そこへ、女性が私の前に丁寧にお茶を出してくださった。その瞬間、

「え!?」

涼やかな夏を思わす透き通った茶碗に注がれたお茶。
その量、茶碗の3分の1もないぐらい。
綺麗なうす緑のお茶。

「えぇ!? 少なっ!!」

そこからしばらく、私の頭の中はもうぐるぐる。
相手の方とうちの者が話している内容もそっちのけに

「お客さまにお出しするお茶の量って、これが適量なのか!?
公的機関で出されるお茶だから、きっとこれが常識のお茶の量なんだろう。
だとすると、今まで私が長年お客さまにお出ししてきたお茶の量は、間違いだったのか!?
だいたい7分目を目安に出してきたが、あれは勝手な思い込みの適量だったのか!?」

など、考えにふけってしまった。

相手の方は何の違和感もなく、そのお茶を飲まれている。

うわー、不思議!ものすごく不思議!!!
もう20年以上も職場でお客さまにお茶を出しているのに、この量は初めて見た。
秘書の勉強はしていないし、やはり常識に疎いのか、私。
いや、待てよ。まさかの6名分の冷えたお茶がなかったってやつか!?
はたまた、次から次へと懇談や外出を控えている相手の方が、
今日一日で飲むお茶の量を、ここで調整しているのか!?

なんて、もういろんな考えが頭の中を駆け巡った。
ここで相手の方の貴重なお話を10分間ぐらいロスしたといってもよいぐらい、
私の中ではこのお茶の量がヒットしてしまった。

お客さまにお出しするお茶の適量について、もう知りたくて知りたくて仕方がない!

懇談を終え、帰りの車に乗った途端、3人全員ともが、
先ほどのお茶の量について話しだした。
気になっていたのは、やはり私だけではなかった!

しかし、残念ながらあの量について、適格な答えをもっているものはいなかった。
私だったら、この暑すぎる中、茶碗ではなく、
大きめのグラスになみなみと冷たいお茶をついで、お出ししたいぐらいの勢いであった。

そして、調べてみた。
ネットの情報から得たところによると、所説あるようである。

その1。

誰もが思いつくところは、今回は冷たいお茶であったが、
これが熱いお茶であった場合、たくさん注がれていると、
熱くて茶碗を持てないから、という説だろう。
だが、それは7分目のお茶であっても持てるはず。
そうとう注がないと、そこまではいかない。

その2。

抹茶や玉露は、お茶碗の3~4分目くらい。煎茶やほうじ茶などは6~7分目ぐらいが適量、という説。
これはよくわかる。お抹茶をいただくときは、茶碗の半分も入っていない。
しかし、あのお茶はよく冷えたペットボトルから注がれたお茶だろう(おそらく)。
ペットボトルにデカデカと「玉露」とでも、書かれていたのか。
「お抹茶は3~4分目の量」という点についても、なぜその量なのか?
調べだすと、深い意味があるのかもしれないが、長くなりそうなので、今回は置いておいて。

その3。

お茶をたくさん注ぐのは、早く帰って下さい、というサイン。
本来は3~4分目くらいの量でお出しして、一口でも飲まれたら2杯目を注ぐことがマナーとのこと。

これだ!

今回のシチュエーションからすると、この「その3」の説が当てはまるのかもしれない。
「ゆっくりお話しましょう、お茶は何杯でも注ぎますよ」という、
おもてなしの意味がこめられていたからこその、あの量…なのかな…?

うーん。
それとも、もっともっと深い意味があるのか、ないのか。

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と、結局ちゃんとした答えは見つかりませんでしたが…!
読者の皆さま、そんな理由じゃないよ!とか、こんな理由じゃないかな?
など、もし、ありましたら、ぜひご教示ください!!

こんな話を書いていたら、次は、お抹茶の量について調べたくなってきました。
きっと風味や味わい、いろんな深い意味があるのでしょうね。
分かればまた、こちらでレポートします!

北村涼子

ものごごろついた時から冬は「番茶」、夏は「麦茶」の家庭で育ち、それが当たり前の感覚でした。温かい番茶と冷えた麦茶。母がお茶を番茶から麦茶、麦茶から番茶へ変え...

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